若月陽子さんの「草むら・考」へ。
木口木版というものを、おそらく挿絵などで見たことはあるけれど
「これが木口木版だ」と認識しながら拝見したのは、はじめてでした。
羽毛や葉脈の集合は触れられそうな程に柔らかく
時にリアルに、時に儚く佇みながら
それらを取り囲む黒は闇になり、奥へ吸い込まれそうな引力を感じました。
とても美しかったです。
開いた冊子に描かれた蜂と漆黒の蜂の巣。
綴られる言葉を何度も反芻しながらカルマについて帰り道に思う。
捕食、進化、繁栄、孤独
何億年と続く遺伝子の連鎖から逃れられず、委ねながらも強く貫く瞬きに
手を伸ばしあって探し続けているのでしょうか。